ラインアプリを閉じて、また食パンをかじる。
スマホの時計はもう4時を過ぎてた。
あたし、どんだけ寝てたんだ。
下ではテレビを見ながら太陽が騒いでいる。
宿題やんなさいよーと、お母さん。
小学生はいいな。
悩みとかないんだろうな。
それなりなあるのかな。
目を閉じ、騒がしい家族の声を遠くに聞きながら、あたしは大きな決意を胸にする。
彼女になりたいなんて、贅沢は言わない。
美山さんには、見た目では敵わない。
でもあたしはあたしなりに、瑠希亜を知りたいんだ。
普通じゃない?
普通ってなによ。
瑠樹亜は瑠樹亜だ。
素敵なんだ。
側に居たいんだ。
だから、頑張る。
そう、まずは……
のんの言うように、髪を切ってみよう。
そんなに変わるとは、思えないけどね。