授業中の廊下は不気味なくらい静か。
黙ったままテクテクと歩く。
こんな時間に帰宅するなんて、なんだか悪いことしてるみたいで。
ちょっとドキドキしてしまう。
あたしは西川ちゃんに昇降口まで送ってもらい、自転車を置いてバスで帰ることにした。
門のすぐ先にバス停がある。
20分に一本はバスが出ているから、そんなに待つことはないだろう。
雨の日と雪の日以外は自転車通学にしているけど(ダイエットにもなるし)今日はバスが無難だ。
風で鼻血が顔を流れるとか嫌だし。
ああ……
頭の中と心の中が疲れた。
ついでに鼻血にもうんざり。
どこか悪いんじゃないだろうか、あたし。
美人薄命とか言うし。
なんて。
そういう言葉が似合うのは、美山さんのような生理痛で寝込むような子だ。
そんな下らないことを考えながら門を出ると。
「あ、瑠樹亜だ」
なんと、瑠樹亜の姿を見付けてしまった。