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「えーと、 2年B組の、二谷さんね。
チョコレートでも、食べすぎたんじゃないの?」
カツカツカツ、と、ベッドに横になっているあたしの横を、保健室のオバチャン(と言うと激怒する、微妙なお年頃)西川ちゃんが通る。
「あは、ほうはほ(そうかも)……」
両方の鼻の穴にテッシュを突っ込んだあたしは、ぼんやりと天井を眺めながら、相変わらず瑠樹亜のことを考えている。
キレイな横顔だったなあ、とか。
思ったより睫毛が短かったよなあ、とか。
あの、どう考えても「俺様」なキャラなのに、「僕」って言っちゃうとこがかわいいんだよなあ、とか。
そうして、あの毒舌を浴びせられるのが、むしろ快感になってきていた、あたし。
やばいなあ。
あたし、もっと。
瑠樹亜に変な女って言われたい。
「ちょっと休んで落ち着いたら、三時間目から授業出なよ?」
それから西川ちゃんは、「わたし、ちょっと職員室に用事あるから」と言って出ていった。