……瑠樹亜とあたしは。
そんな彼女の自殺を止めた、ヒーローのような扱いを受けた。
本当は、違うのに。
全然、違うのに。
何も知らなかったけど。
あたしは『世界の終わり』の共犯者だったんだ。
瑠樹亜は固く口を閉ざしていたけど、冷静な表情の下で、じっと何かを考えているみたいだった。
瑠樹亜はどこまで知っていたんだろう。
瑠樹亜はどう思ってるんだろう。
それを聞くきっかけもないまま、あたし達は別れて。
瑠樹亜はマスコミを避けるように。
あれから一度も学校に来ていない。
当時は押し寄せていたマスコミも。
今はほとんど来なくなった。
学校はいつもの静寂を取り戻して。
あたし達は何事もなかったように、寒い冬を迎えていた。