のんと一緒にお風呂から出ると。
キッチンで瑠樹亜とすれ違った。
相変わらず無表情で。
ちらりともこちらを見ない。
胸が。
ぎゅう、と軋んだ。
みんなお風呂から出て、消灯の時間。
本当はもっと騒いではしゃいで。
お喋りだってもっとしたかったけど。
3枚ずつ布団を並べて。
間に襖をぴっちりと閉めた。
これで女子と男子は。
縁側で繋がっているだけになった。
誰も、何も話さない。
小さく、オレンジに光る豆電球を見上げて。
あたし達は眠りに就くだけだ。
「おやすみ……」
「おやすみ」
「おやすみ、なさい……」
消えそうな声でおやすみを言い合う。
男子の方はどうだろう。
耳を澄ますと、向井と山本がコソコソ話している声が聞こえる。
クスクス笑い声も聞こえるから、下らないことをしゃべってるんだ。
明日はもっと、みんなで笑い合えたらいい。
山本の機嫌も直れば、きっとまた楽しくおしゃべりができる。
そんな予感を温めながら、あたしも静かに目を瞑った。