「だから、あたし、協力するよ。
この、世界を、終わらせるために」
できるだけ感情のない声で。
てきるだけ丁寧に言葉にした。
「……」
瑠樹亜は何も答えない。
じっと前を向いたまま。
あたしの話も、聞いているのかいないのか、よくわからなかった。
それでも、よかった。
これはあたしの一方的な告白で。
答えなんか何もいらなかった。
「あたし、何にもできないかもしれないけど。
瑠樹亜が今よりずっと、幸せになれるように……
何でも協力するつもり」
最後の方は気恥ずかしくて、声が小さくなってしまった。
幸せ、なんてよく分からない。
瑠樹亜の幸せが何かなんて、想像もできない。
たけどそれも、本当の気持ち。
嘘なんかない。
「……変な女」
バスの振動の中。
瑠樹亜が呟く。
屋上でチョコレートをもらった時と同じ。
冷たいけど、温かい。
嬉しい。
嬉しくて……
また涙が出そうになった。