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思い出すと顔が赤くなってくる。


あたしは学校からの帰り道を、一人で自転車を押して歩いていた。

頭の中で、さっきまでの出来事を何回も何回も繰り返す。

プリントの束を作りながら瑠樹亜と話したこと。
瑠樹亜の目を見たこと。


瑠樹亜に好きだと言った。


成り行きだったけど、当たり前に本当の気持ちだった。
知りたいと思っていることも。
分かるように努力をすることも。


瑠樹亜は「あ、そう」とだけ言った。
言って、また文庫本を広げてしまった。

無言のままプリントを人数分束ねて。
ホチキスで留めて、ロッカーに保管して。
瑠樹亜に「じゃあ、また明日」って言った。
言ったら「ん」って返事が返ってきた。


それから、そうして……

あたしはこうして歩いている。


男の子に告白なんかしたのは初めてだ。

だって、この恋は。
あたしの遅すぎる初恋と言ってもいい。

完全なる片想いだけれど。
まさか自分から好きだなんて。
言うつもりなんかなかったのに、絶対に。


「……うわあああ……
どうしよう……」


今さらだけど。

めちゃくちゃ恥ずかしい。

あの瑠樹亜に。
あのかっこいい瑠樹亜に。

どさくさに紛れて好きだなんて告白してしまった。