あたし達は並んで、公園のベンチに座る。
この公園は街の真ん中にあるのに、いつも人気がない。
夜は近付かない方がいいって、学校でも言われてる。
花火のゴミや、ビールの缶があちこちに落ちていた。
「ひよは話しやすいね。
最初は、失礼な子だって、思ったけど。
保健室の時」
ふふふ、と美少女がとなりで笑う。
こんな汚い公園には似合わない、爽やかな笑顔。
「……あ、あはは。
あの時は……」
そう、あの時は。
どうかしてた。
舞い上がってたし。
「瑠樹亜のこと、好きなんだもんね、ひよは」
「う、う、う、うん。
まあ……」
ハッキリと言葉にされると照れくさい。
照れくさいし、何だか好きって言う度に瑠樹亜が遠くなっていくような気がして……
ためらってしまう。
好き、なんて。
簡単に言ってはいけない相手のような気がするんだ。
もっともっと。
覚悟がいるんだって。
そう思う。
瑠樹亜の秘密を知ってしまってからは。
なおさら。