彼の家に住むようになってから少しして


彼と2人で飲みに行った居酒屋でその事件は起こった



私が一生聞きたくないと思っていた言葉を彼は口にしてしまった


"俺はお前のことが好きだよ。お前も好きだろ?俺のこと。お前のこと俺は愛してる。"


耳を塞いだ時にはもう既に全て聞き終えたあとだった


今この瞬間を以て私の全ては失われました


好きだとか好きじゃないとか

そんな話じゃない

そんな簡単な言葉では言い表せない


大切だとか好きだとか愛してるだとか


糞食らえ



そんな関係じゃない


もっと、なんて言うんだろうもっと、違うじゃん


やめてやめてやめてやめてやめてやめてもうやめて


「そんなの知ってるでしょ?言うまでもない」


酔っ払っていたのをいいことに私は翌日には何も覚えていないふりをした


その言葉を皮切りに暗黙のルールが出来上がって行った


お互いに強く想いあってるのはお互いに知っている


だから言葉を交わさずとも躰で答えを探した


何も言わずにそれを確かめた


今もその関係が続いている


外側の人間から見ればただの都合のいいセックスフレンドに見えるかもしれない


それを超えたものがあるのを知っているのはお互いだけだ

そのまま一年が過ぎようとしている


そんな時ふと私は幸せを求めてしまった