「いってらっしゃいませ。」

メイド達に見送られながら
天音は車に乗り学校へ向かった。

天音の学校は家から
徒歩30分の所にある。

本当は歩いて登校したいが
父親の命令でいつも車で通学をしている。

車の窓から街の風景を眺める。

他校の生徒は友人とおしゃべりをしながら
楽しそうに登校している。

「いいなぁ…。」

運転手に気付かれないようにぽつりと呟いた。

ふと、1人の少年に目が止まった。

高い身長にふわふわの茶髪。
目はパッチリとしていて形のいい唇。

そして背中にはギターケースを背負っていた。