そう思った時、秀人さんは上半身裸で、下にデニムを履き、肩にバスタオルをひっかけて部屋に入ってきた。
思わず固まってた私の存在を無視して、秀人さんは台所へ向かい、冷蔵庫から缶ビールを出してベットに腰掛け、ビールをぐいっとあおぐ。
「きみも飲む?」
「み、未成年ですから・・」
「へえ、俺なんて小学生からビールくらい飲んでるけどな。」
「秀人さんは、二十歳過ぎてるんですか?」
「全然。だって俺今16歳だもん。」

「・・・え?今なんて」

「俺は本来ならきみと同じ高校生。進学面倒で中学卒業以来学校には行ってない。」

・・・嘘でしょーー!!!
確かに、彼のプロフィールには生年月日や血液型、その他もろもろシークレットになってたし、謎に包まれてる事がまた魅力のひとつにはなってたけど!!

「私と同じ年?!ありえない!そんなに大人っぽいのに!!」
「そんなん、嘘つくわけないやん。」

「秀人さん、その言葉・・」
「ああ、アンタのリアクションがおもろいからつい、っていうか俺、元々関西出身やしな〜」


私は頭の中で、今までで築き上げていた秀人さんの神秘的でミステリアスな、それは美しい人間離れしたイメージがガラガラと崩れていく気がした。