彼は私に気付くと、身長182cmという長身で、152cmしかないチビな私が、驚きで固まっているのを見下ろしていた。
当然私の心臓は口から飛び出そうな程驚き、目も瞬きなんて忘れて見開いてる状態である。
だって考えてもみてほしい。
誰だって憧れて止まない、手を伸ばしても届かない相手がすぐそばにいて。
私の反応はごく平均的な反応じゃないのか?

「きみ、俺を知ってる?」
私は頷いた。
口の中は緊張で乾いてる。「わ、私・・ライブハウスの“クロニカル”でたまにバンドで演奏してるんです。
秀人さんのバンド・・とにかく秀人さんのファンで・・!」

そこまで言うと、彼は嬉しそうに、独特の柔らかい声で「ありがとう。」と言ってくれた。

もう、死んでもいい!
そう感動した後、彼は言った。