そんな凄い彼が、当然周りがほおっておく筈がなく。沢山のレコード会社からのオファーがあった。
しかし、彼はとても魅力的ではあるが。

それ以上に気紛れで我が儘で・・そして面倒くさがりだったのだ。
通常なら、泣いて喜んで受け入れるプロ入りを面倒がって拒み、好きな時にライブが出来ればいい。
見た目、美しい天使のような人なのに、その中身はメンバーも周りの人間も、ほとほと手を焼く悪魔のような問題児なのである。

そんな彼に、私が接点を持ったのは本当に偶然だった。
学校帰りのコンビ二。
つい、雑誌を立ち読みしてたら雨が降ってきてて。
激しくなる前に帰ろう。
そう思って、私は鞄から折り畳み傘をだした。

その時、困った顔して立っていた人・・正に小川秀人。

彼だったのである。