私が昨日我が身に起こった話をすると、同じバンドのボーカルでもあり、親友でもある同じクラスメイトの穂波が一言。

「それ、ありえないから。」

「そうなんだよ、ありえない話なのよ〜」

すると穂波は溜め息ひとつ。
「あんた、何馬鹿な事言ってんの?
まさか夢と現実の区別つかなくなった?」
「へ?」
「そんな話信じれるわけないでしょ〜だってあの秀人でしょ。
第一アンタなんか相手にするわけないじゃん!」
「それ、ひどくない!?」「うちらみたいなちっちゃなバンドのメンバーがあんな神々しい人が相手する訳ないじゃん!」

・・それは、私がつい昨日までそう思ってた事だ。
「悲しいけど、北村先輩来年受験じゃん!
所詮私らのバンドなんてあ〜ゆうバンドやってる人からみたらママゴトみたいなもんだしさぁ。
あんたももう高校生だし、いい彼氏でも見つけたら?あたしみたいにさ!」

その時だった。
息もたえだえでうちのクラスに飛込んできた生徒がいた。

「浅田由美菜さんって人、いる!?」

「あ、私だけど。」
「急いで校門行って!
むちゃくちゃかっこいい人が浅田さんを呼んでる!!」