「本当にそう思う?」
「思う思う。」

もぐもぐとご飯を噛み締めながら私は頷く。
一陽はじいっと意味あり気に私を見ると。

「まぁ、いいや。
ごちそうさま。」

そう言って食べ終えた食器を片付ける。
「由美菜さんも、食べ終ったらそのままにしておいていいから。俺が片付けるよ。」

・・本当によく出来た子だ。

私は本当に実感しながら、お言葉に甘える事にして部屋に戻り、仕事へ行く支度をした。

それにしても今朝は懐かしい夢を見たものだ。
16年前の・・今のまだ半分しか年を重ねてなかった頃の、初めて一陽の父親と付き合うきっかけになるあの日の、私のファーストキスをされた時の夢を見た。

あの後、私は確か・・・