「…春は本当私の事好きだね」
少し含んだ言い方をしたつもりだったけど、春はそのままの意味に取った。そして照れながら笑う。

これも、入学してから変わらないいつものことだった。

春はなんで私のことこんなに好きなんだろう。なにがきっかけだったっけ。
身に覚えがない私は、少し記憶を探るけれど、やっぱり覚えがなかった。

…そんなこと、考えるのも面倒臭いな。


そして、四時間目が終わる鐘が鳴る。
しばらくしてドアが開く音。

「愛しの春様、ご飯買って参りました」

息を切らせながら入ってきたのは涼太。

春のことが大好きで以下にも軽そうな見た目をしていながらも、中身は意外と春一筋というギャップを持つ彼は、残念ながら春に全く相手をされていない。