俺、超空振っちゃってるじゃん。
もう空振り三振でアウトじゃん、俺。

どうやったら元気出るんだろう。
やっぱり、葵じゃないと駄目なのか。

「無理、うざい、話しかけんな」春は少し怒りながら俺にそう言って、足を動かそうとした。

春が強がってることも、無理してることも、わかってる。俺の前で強がっても、悲しくなっても、泣いてもいいから。

無理だけは、しないで欲しいのに。

そして足を動かそうとした春を、俺は後ろから抱きしめた。春の足の動きは止まり、身体を強張らせる。

「俺の前では、無理すんなよ」
自然とそんな言葉が口から零れた。
それも自分が思っていたより低い声で。

春、きっと怒ってるだろうな。でも、

…この手を振りほどかないで欲しい。


そして春がその言葉を受け止めることがないと分かっていても、春の世界に俺は必要ないとしても、


言わずにはいられなかったのだー