この坂を登りきれば学校につく。
学校には行きたくない。居場所がない。
教室も生徒も教師も苦手だ。

この坂を登るのに勇気がいるのは、きっと私だけじゃない。きっと学校が嫌いな人なんて数えきれないほどいるだろう。

「私だけじゃないよね」
そう呟いて、あと一年坂を登れば卒業だということに喜びと悲しみを感じながら足を動かした。