付き合うことになったその夜。
正と私は二人で帰ることになった。

正は私の前を歩く。その後姿は喜んでるようにも怒ってるようにも見えて私は不安になった。

正、なに考えてるんだろう。わからない。全然わからないよ。

「……正はなんで私と付き合おうっていったの」小さな蚊の鳴くような声。気がつくとそんなことを言ってしまっていた。

「ははっ、なんでだろうな」
正は振り返って立ち止まり、私を見た。