知らない女の子と腕を組んで歩いている稜を初めて見かけた時、ショックで思い切り泣いた。

なのに、稜は平気な顔で次の日も窓を叩いた。

だから、辛いのに笑った。

稜に嫌われたくなかったから。



いつまでも、一番近い存在ではいられないんだ........

そう思ってしまってからはずっと、こんなにそばにいるのに、稜がどんどん遠くに行ってしまうようで怖かった。

付き合ってほしいと言ってくれた何人かの男の子にすがったけど、やっぱり心に開いた穴は塞がらなくて、愛するとか、愛されるとか、大切なことがよくわからないまま、大人になってしまった........