鈴木さんと一緒にお菓子を袋に詰めながら、世間話に花を咲かせていると、時々手伝ってくれるバイト君がやって来た。



「あの......横森さん。」

「はい。何でしょ?」

「横森さんて、彼氏いるんですか?」

「 へっ?.......あ、はい。」

「やっぱり。あぁ、ガッカリ。他のバイトたちとジャンケンして負けたんで、代表して聞きに来ました。」

「えっ?」

「横森さん、可愛いからバイトにも社員さんにも人気あるのよ。ただでさえ、スーパーはオバちゃんばっかりだしね。」

「嘘でしょ?」

「鈴木さんの言う通り。彼氏さんが羨ましいです。」

「ほんとよね。私の若い頃みたいだわ。」



一瞬の沈黙の後、笑いが起こる。

これだから、スーパーの担当は楽しい。