陵も同じことを考えているのだろう。

視線を落としたまま、黙りこんでいる。

沈黙の中、そうして肩を並べて歩くうち、だんだん駅が見えてきた。



「心優、あのさ........。」

「なぁに?」

「明日の夜、時間取れない? 家に帰ってから、ちょっとでいいんだけど。」

「うん。いいよ。」

「じゃ、空けといてくれる? 心優に付き合ってほしい場所があるんだ。」

「わかった。でも、何処行くの?」

「それは内緒。」

「じゃ、ヤダ。」

「マジ?」

「う〜そ。」