あまりの驚きに、何が起きたのか瞬時に理解できない。

頬に稜の髪がフワッと触れて、体温を感じて、稜の匂いに包まれて..........



稜の腕が、しっかりと抱え込むようにして、私を抱きしめている。

嘘.......でしょ?

こんなの、あり得ない..........



「.......もう、遅いのかな。」

「..........。」

「やっと、気が付いた。」

「..........。」

「俺、やっぱり.......お前を誰にも渡したくない。」

「..........。」