コーヒーの香ばしい匂いを漂わせながら、稜がキッチンから戻って来て、カップを置くと、私のすぐ横に腰を下ろした。



「ありがと。」

「今の、航佑?」

「うん。」

「今日、これから会うの?」

「うん、そう。」

「ふ〜ん.......。」



ん? あれ?

気のせい.......じゃないよね?

稜の表情が曇ったような気がする。

俯いたまま、急に黙り込んじゃうし、どうかしたかな..........



「.......稜?」



稜の顔を覗き込んだ時、信じられないことが起こった..........