「これからは、俺と一緒にいてくれる?」

「.......うん。」

「ありがとう。絶対、後悔させないから.......。」



航佑は穏やかに微笑むと、私を頭からすっぽりと包みこむように抱きしめた。

粉雪がチラつき始めた寒いテラスで、航佑の腕の中はとても暖かくて、優しくて、また涙がこぼれそうになった。



稜を諦めて、きちんと向き合う初めての相手が航佑で良かった。

航佑ならきっと、私を大切にしてくれる。

稜を忘れさせてくれる。



いつか、きれいに諦められる..........