お店を出た後は、また手をつないで、さっきまで見下ろしていたイルミネーションが続く坂道を歩いた。

坂を登り切ると、合コンの時に待ち合わせた大きなツリーが見えてくる。



ツリーの下で立ち止まると、航佑はサンタクロースのデコレーションを見上げながら、思いがけない言葉を放った。



「俺さ、今年はもうサンタにプレゼント貰っちゃった。」

「もう?」

「うん。って言っても、俺のサンタは稜なんだけどね。」

「え?」

「プレゼントしてもらったのは、心優ちゃんとの出会いと、告白する権利。」

「.........。」