そして、その日は来てしまった。

稜が他の女の子を口説いてる所なんか、見たくない。

頑張らなくていいから、つまらなそうにしていいから、私の目の届く所にいてほしい。

そう祈るような気持ちで、合コンはスタートした。



11月の街並みはクリスマスムード満点で、街全体が早く恋人を作れと急かしているようだ。

待ち合わせの大きなツリーの下に集まったメンバーはなかなか高レベルで、放っておいても一組くらいカップルができそうな雰囲気だった。

男子は稜の大学の時の友達、女子は結婚パーティの時のメンバーで、男女八人、全員同じ年。

この前の航佑の様子から察するに、彼らにしたら私は稜のオマケみたいなものだろうから、どうでもいいって言うのが本音。

話題がなくなったらイジられ役になること以外は目立たないようにして、今日は稜を見守っていようと思っていた。