それが、航佑。

パッと見ただけで、すぐわかった。

稜とは、全然違うタイプ。

何となく華やかで、意識して作っている訳じゃなさそうなのに、いかにもモテそうなオーラをしょってる感じ。

落ち着いた雰囲気で、私に向けられた笑顔があんまり穏やかで優しいから、目が会った瞬間、なぜかドキドキしてしまったのを憶えている。



「こいつ、航佑。大学の時からの友達。」

「.......どうも。」

「本物の心優ちゃん? 何か、初めて会った気がしないな。イメージ通りだ。」

「え? 」

「心優ちゃんてさ、凄い確率で稜の話に登場するから、こいつの友達で知らない奴いないと思うよ。」