「私、やっぱり、稜のそばにいたい。」

「.........。」

「いつもそばにいたから、稜に手が届かなくなる日が来るなんて、考えたこともなかった。札幌だって遠いと思ったこと、何回もあったんだよ......。」

「..........。」

「航佑としばらく離れて、いっぱい悩んで考えたの。私、本当はどうしたいのかなって。.......でも、稜が帰って来たら、答えがわかった。やっとわかったのに、黙って行っちゃったら、私、どうすればいいの.......。」

「..........。」



胸が張り裂けそうだった。

何も言葉が出てこなかった。

これ以上ないくらい嬉しいはずなのに、心優の気持ちを感じたら、今まであったことに対するいろいろな感情が溢れ出て、切なくて、苦しくて、心優が愛しくて愛しくてたまらなくて..........

その思いを言葉にできないまま、俺は力いっぱい心優を抱きしめた。