モヤモヤした気持ちを残したまま、さらに一週間が過ぎて行き、気付けばもう来週はクリスマスだ。

去年の今頃、俺があんなことをしなければ、心優と航佑は今も仲良く過ごしていたのかもしれない。



そう考えると、結局、心優を不幸にしたのは俺なのか?

だとしたら、このまま黙って逃げるなんて卑怯だろう。

残りの期間で、何か俺が心優にしてやれることはないのかな........



___ピンポーン。



玄関のチャイムが鳴った。

インターホンのモニターに友哉が映っている。

一瞬、去年のあの時、重苦しい沈黙を断ち切ってくれた友哉の顔が、フラッシュバックする。



そう言えばさっきから、隣から甘い臭いが漂って来る。

心優がクッキーでも焼いてるのかな?

いや、まさか、そこまで偶然が重ならないか。