梨花なら、今の私の環境を何て言うのだろう。

ズバっと、何かヒントになるようなことを言ってくれるんじゃないかな。

微かにそんな期待はしていた。



「すごいね、ドラマみたいな生活してるんだ。」

「そう?」

「子育て以外、何の刺激もない生活を送っている私には、いちいち羨ましい気がする。」

「でも、幸せでしょ? 迷わず『幸せ』って答えられる梨花こそ羨ましい。章ちゃん、超カワイイし。」

「章ちゃんはママの宝物だもんね。章太郎がいてくれれば、何にもいらないって思うもん。」

「パパは、いらないんだ。」

「生活費ないと困るから居てほしいけど、気分的にはどっちでいいや。」



そうは言っても、屈託なく笑う梨花からはいかにも幸せそうな雰囲気が漂っていて、もはやズタズタの私には、眩しいくらいに感じる。

何年後かには、私にもこんなオーラを出せるのかな。

急に不安になってくる。