誕生日の前日は、鈴木さんのモールのショップで、子供向けのイベントが行われていた。

うちの会社のオリジナルキャラがプリントされたグッズで縁日のようなことをやり、集客を計るのだ。


私は朝からそこのお手伝い。

疲れるけど、子供の集まるイベントは楽しい。

ビニールプールに浮かんだスーパーボールを夢中ですくう子供たちを見ていると、温人の顔が浮かんできて、何だかほっこりする。

でも幸せそうな親子連れを何となく羨ましく思うのは、やっぱり私に「幸せ」が足りないからなのかな.........



定時に上がり、航佑の部屋に向かった。

どんな料理ができあがっているか、ワクワクしながら電車に乗る。

今日はお誕生日を祝ってもらいに行くんだから、疑う気持ちは置いていこう。

いっぱい甘えて、綻びを埋めよう。

せっかく、航佑がお祝いしてくれるんだから..........