「辛くて毎日泣いてて、誰かに慰めてほしかった。抱きしめて『愛してる』って、言ってほしかった。そうしたら、航佑のことを思い出したの。航佑は、いつもそうしてくれたから。」

「そんな勝手な.....。」

「私のことを誰よりも愛してくれたのは、航佑だった。一生懸命尽くしてくれたのは彼じゃないって、気付いたの。だから、会いたくて会いたくてたまらなかった。毎日毎日、彼のことばっかり考えてた。」

「だからって、関係ない。今、航佑が愛してるのはあなたじゃない。」

「今は、そうかもしれない。」

「え?」

「でも、いつ変わるか、それはあなたにもわからないでしょ?」

「..........。」

「会っているうち、航佑の気持ちが変わるかもしれない。だから、今は一番じゃなくても構わない。」

「どういう意味? 航佑は真由子さんと会うつもりなんてない。」

「それくらい、私は本気なの。」

「...........。」