友哉の言葉は何の飾り気もなくて、ストレートで、だからこそ胸に響いた。

家族を持つ、守るっていう覚悟は、本当にすごいんだな。

私の悩んでいることなんて、ちっぽけなものに思えてくる。



あれから真由子さんは、私の前に現れない。

航佑が彼女の友人の連絡先を突き止め、その人から真由子さんが実家じゃなく、近くのおばあさんの家で過ごしていることを聞き出した。

何度かその最寄りの駅で待ち伏せて、航佑は彼女に会って来たらしい。

出戻りの情緒不安定な孫をお婆ちゃんが匿ってる、そういう感じじゃないかと言っていた。



会ったのは、その一度きりだと言っていたけど、そんなに簡単なことだったのかな?

私の前に現れた真由子さんはギラギラしていて、絶対諦めないっていう闘志をみなぎらせていた。

航佑がちょっと注意したくらいで、諦めるとは思えない。