思えば、不思議な運命だ。

隣の家に生まれたことから始まり、子供時代を一緒に過ごし、お互いにいろいろな恋をして、悩んで、結局、好きなのは、いつもそばにいた人だと気付いた。

だけど、やがて現れた本命の恋人は俺の友達で、大真面目にお前を取り合い、どれだけ愛しているか恥ずかしげもなく語り合い、必ず幸せにすると俺に約束までした。



お前と最初にキスしたのも、プロポーズをしたのも、みんなみんな俺だったのに、いつしかそれは無効になって、どんなに好きでも叶わなくて..........

誰より近くにいたはずなのに、気がつけば、手が届かないほど遠く感じるようになる。



今の俺には、それが怖い。

お前の幸せを願いたいのに、本心は離れたくない。

一番近くにいたい。



でも、そろそろ本当に諦める決心をしなくちゃいけない時が来たようだ。

俺のためにも、お前のためにも。



辛いけど、仕方がない。

どこまで行っても俺たちは、ただの「幼なじみ」なんだから..........