「まだ何にも運んでないから部屋の中は空っぽなんだけど、見てみる?」

「うん。見てみたい。」



車を降り、二階へ上がると、航佑は一番手前の角部屋のカギを開けた。

ワンルームの部屋の内装は、ドアもキッチンもクローゼットも白で統一されていて、床も白っぽい木目のフローリング。

何も無いせいもあるけど、明るい色調のおかげでワンルームの部屋は意外と広いように思える。



「どう?」

「きれいな部屋。思ったより広いし、明るい感じでいいね。」

「気に入った?」

「うん。」

「良かった。」



航佑が後ろからゆるく抱きつき、私の肩に顔を乗せた。