いかにも航佑らしい、おしゃれな感じのアパートの扉をくぐった。

ここに心優は通っているんだと思うと、切なくて胸が痛む。

心優のものらしき小物があちこち無造作に置いてあるのにも、仲睦まじい二人の写真が飾ってあるのにも、いちいち何かが刺さるような痛みを感じる。



でも一番嫉妬を感じてしまったのは、ベットだった。

こんなことはわかりきっているはずなのに、部屋の大部分を占めるベットを目の当たりにすると、ここで抱かれている心優を妙に生々しく想像してしまって、辛くて耐えられなくなる。

今さら人に譲るということの意味を思い知るなんて、自分のバカさ加減がイヤになる。



と同時に、再認識する。

俺は、今でも心優のことがこんなに好きなんだ。

全然忘れてなんかいない。

むしろ離れたせいで、思いは強くなってしまったんだ..........