何気ない一言に、胸がチクッとした。

一人暮らしを始めたのは同時期だったけど、あいつの所には心優を感じさせるものが、たくさんあるに違いない。

他の奴をほとんど入れたことがない二人の部屋なんだと思うと、嫉妬せずにはいられない。



俺が個人的に話があるって言えば、心優のことだと察するだろう。

でも航佑に焦った様子はなかったから、隠したいことがある訳じゃなさそうだ。

それなら、その方がいい。



俺がいなかった半年間、二人の間には、いろいろなことがあったのかもしれない。

それでも、約束は約束だ。

約束を守れないようなら、黙って心優を任せておけない。



心優の気持ちは俺じゃなくて、航佑にあるのはわかってる。

けど、悲しむ心優を見たくはないし、そんなんじゃ、心優を諦められなくなる。

言えた立場じゃないかもしれないけど、約束は絶対守ってもらう。