そう言われると、やっぱり肝心なことが聞けない。

心優にしたら、何の気なしに口にした言葉なんだろうけど、「多分」の一言も気にかかる。

本当に何もないなら、それに越したことはないけど、言いたくても言えないこと.........

俺に隠していることが、あるんじゃないかと勘ぐってしまう。



「温くん、起きそうにないし、車、戻ろうか。」

「うん。そうだな。」



荷物をまとめて、車に戻る。

夫婦ごっこも、もう終わりだ。

こんなに楽しい時間をくれた友哉に、感謝しなくちゃいけないな。



幼なじみっていう立場は、案外、不便なのかもしれない。

近過ぎて、そばにいなけりゃ気がつかないような細かい所までが気にかかる。

けど、こんなに近くにいてさえも、俺は結局、見守ることしかできないのかな.......