航佑はニコッと微笑んで、再び車を出した。

途中、デリに寄ってライスボウルとサラダを買って、そのまま行き先も告げずに、二駅分くらいバイパスを走った。

その後、細い路地に入り、住宅地みたいな所を進んで行く。

何処に行くんだろう?

まるで見当がつかない。

この辺に、隠れ家的なお店でも出来たのかな.........



「ねぇ、何処行くの?」

「もうすぐ着くよ。」



航佑はすごく嬉しそうで、その様子から、これから行く場所の特別感が伺える。

何が起こるのか予想もつかないけど、それを見ていると沈んだ気持ちも和らぎ、私までちょっとワクワクしてくる。



「着いたよ。」

「え?......此処?」

「そう。」