仕事を終えて、猛ダッシュで帰った。

心優は夕飯の支度を終え、洗濯物を畳んでいる最中だったようだ。

畳みかけのTシャツを手にしたまま、玄関で迎えてくれた心優を、思わず抱きしめた。



「ただいま。」

「え、ちょっと、何? いきなり、どうしたの?」

「顔見たら、ギュってしたくなったの。」

「ふ〜ん。今日は甘えん坊なんだね。」

「うん。ダメ?」

「ううん、全然いいよ。」



笑顔で頬を寄せながら、ふざけたように背中にしがみついてくれる心優が愛しい。

せっかく手に入れた、この幸せを壊したくない。