なのに、もうすぐ24を迎えようとしている俺にやって来たのは、「別れ」だった。



「私、婚約者がいるの.........,。」



彼女の言葉が、信じられなかった。

受け入れられないからなのか、涙も出なかった。

俺は騙されていたのか?

彼女にとっての俺って、何だったんだろう.........



彼女は、8歳年上の会社経営者の息子と結婚した。

次期、社長夫人だ。

そういうことか。



こんなことが、実際に起こり得るんだ。

あまりに滑稽な展開に、自分がつまらないドラマの主人公みたいに思えた。



と同時に、恋をするのが面倒になった。

愛しても、愛しても、どうせ手に入らないなら、追いかけたくない。

でも、本気で愛せないなら、いらない.........