頷くと、稜は鼻の上に皺を寄せ、フフッと笑った。

子供の頃から変わらない、悪ガキみたいな笑い方。

大好きな懐かしい笑顔が、とてつもなく切なく感じて、胸の奥がキュンとなる。



「土曜か、日曜、友哉がみんなで飲もうって言ってたな。」

「うん。」

「無理すんな。辛くなったら、何でも言えよ。」

「でも.......。」

「全然、迷惑なんかじゃないから。俺は、やっぱりお前に笑っててほしいし。」

「.......うん。わかった。」



どうしてこんなに温かい気持ちになるんだろう。

気が付けば、稜の言葉に安心している自分がいる。

迷惑をかけたくはないけれど、もう少しだけ、甘えちゃってもいいのかな........



稜がいる一週間で、何かが変わるかもしれない。

沈んだ気持ちに、光が差し込むかもしれない。

根拠はないけど、何となくそう思えた。



稜がそばにいてくれる。

それだけで、前向きな気持ちで頑張れそうな気がしたから。