「.......心優?」



えっ? 空耳?

嘘でしょ? どうして?

だって、この声..........



「心優! お前、何やってんだよ!」



ヤダ、見ないで。来ないで。

一番見られたくない人に、見られちゃったじゃない。

まったく、もう!!

何でこうなっちゃうんだろう.........



真由子さんが逃げるように立ち去って行くのをボ〜っと眺めながら、泣きたい気持ちでいっぱいになる。

今、聞こえたのは、間違いなく稜の声。

半年ぶりの再会が、こんな修羅場だなんて最低だ。



長い間、離れていて、やっと会えたのにこんなんじゃ、心配するなと言う方が無理。

どうしよう..........

稜の顔がまともに見られない。

言い訳すら思い浮かばない。