角を曲がれば、我が家が見える所まで来ていた。

こんな所まで、何をしに来たの?

怒りを覚えながら振り向くと、思った通り、この前よりも派手な格好をした彼女が立っていた。




「あ、気が付いちゃった?」

「......何しに来たの?」



彼女、真由子さんは、冷めた目で私を見ている。

この前は最初から挑戦的な目をしていたのに、今日は戦うというよりも、私を小馬鹿にしたような態度だ。



「航佑に、私の名前、教えてもらった?」

「教えてもらったけど、航佑が一番愛してるのはあなたじゃない。」

「そんな訳ないでしょ。」

「航佑が愛してるのは私。私は彼の言葉を信じる。」



真由子さんの目つきが変わった。

こんなに可愛らしい外見なのに、それに似つかわしくない険しくて鋭い視線。

でも、負けない。

絶対、引かない。