沈黙が身体中に突き刺さる。

黙っているということは、何か心当たりがあるのだろう。



取り繕うこともしないのは、彼女を悪く言えない理由があるから?

「知らないよ」って、すぐに言ってくれればいいのに。

いつもみたいに、笑ってくれたらいいのに..........



「彼女、結婚してるんだ。」

「..........。」

「心優と出会うだいぶ前、婚約者がいるって知らないまま、俺は彼女と真剣に付き合ってたんだ。でも、ある日突然、結婚するから別れてほしいって言って、俺の前から消えた。」

「..........。」

「だから、正直、混乱してる。今になって、なんで現れたのか、俺にもわからない。」