今日は言わなくちゃいけないことがあるから、気付いてもらった方が言い易くはなる。

でも、言うタイミングも、どう言えばいいのかもわからないから、もうちょっと心の準備をさせてほしい。



ドキドキしながら何でもないフリをしてキッチンに立ち、まな板の上に洗った人参を乗せる。

ピーラーを手にした瞬間、気配を感じて振り向こうとしたら、そのまま後ろから航佑に抱きしめられた。



「.......大丈夫?」

「..........。」

「俺はどんな小さなことでも、心優が悲しい思いをしてるのに、黙って見てるのが嫌なんだ。」

「..........。」

「何かあったんなら、話してほしい。」

「..........。」