わっ、ダメ!!

もしかして、もう気付いちゃった?

即座に視線を落とし、ゴマかすように航佑の鞄を受け取った。



「お腹空いたよね。ごめん、まだ何も作ってないんだ。」

「ねぇ、目、赤くない?」

「え? ........あ、さっき、擦っちゃったからかな。」

「そう。」



今の「そう」の言い方で、航佑が納得していないのがわかる。

航佑はいつも、私のちょっとした異変にすぐ気付く。

それはもちろん、私を大切にしてくれているからで、すごく嬉しいとは思うけど、私は感じたことが顔に出ちゃう方だから、隠したいことも読まれてしまい、航佑に無駄に気を使わせている場面も多々ある。