二日目の夜、地ビール片手にバカ話を繰り広げていたら、チャイムが鳴った。

まさか、またあの子か?

ドアを開けると、予想通り、板谷さんが立っていた。



「こんばんは。あの、ちょっと通りかかったら電気ついてたから、晩御飯まだだったら一緒に行きたいなと思ったんですけど.......。」



人の気配を感じたのか、板谷さんはソワソワした様子で部屋の中を伺っている。



「ごめん。今日さ、東京から幼なじみが遊びに来てるんだ。」

「えっ、あの、もしかして幼なじみって.......。」

「あぁ、違うよ。その弟。」

「弟?」

「そう。」

「良かったぁ。そうなんですね。」

「うん。だから、ごめんね。また今度の機会に。」

「はい。すいません、お邪魔しちゃって。」