北海道ならではの信号のない真っ直ぐな一本道を、車で飛ばして行く。

開けたままの窓から入って来る風が、ひんやりして心地良い。

ラベンダーの香りが微かに漂う中、気持ち良くハンドルを握っていたのに、友哉が何気なく発した一言に、急にドギマギさせられる。



「心優に会いたい?」

「そ、そりゃあ、会いたいさ。みんなに。」

「そんなこと、聞いてねぇよ。」

「..........。」

「まだ好きなんだろ? こんなこと聞いてやるの俺だけなんだから、遠慮しないで本当のこと言えよ。」

「..........うん。」

「心優は幸せだな。こんなに思ってもらえて。」

「そうか? 何か女々しくない?」

「しょうがないんじゃん。学校とか会社とかで出会って、普通に好きになるパターンと違うから。」

「..........。」